【10月11日】作品紹介その11〜窓際にもういない人 その12〜金剛顔

みなさんこんにちは!今日の作品紹介は「窓際にもういない人」。nou me non 4年の工藤寛子による作品です。
元火力発電所二階にある大きく壊れた窓際にこの作品があります。

窓辺に腰掛けている針金で形どられた人間は、首にかけたタオルやヘルメットについたライトの形から、炭鉱マンの姿だとわかります。今はもういないけれど昔はここに彼らが働いていたり休憩していたりしていたのを建物が覚えているだろう、という「火力発電所自身の記憶」を可視化したものです。
炭鉱マンは窓際に腰をかけていますがその炭鉱マンは輪郭がはっきりせず、あるはずの窓はもう無くなってしまいました。
この作品には、何かが無くなっていく寂しさが込められています。

この場所は静かになりました。でも今は、この場所との思い出話に花を咲かせてみませんか?

 

次は「窓際にもういない人」のすぐ隣にある、「金剛顔」という作品。nou me non 3年生チームカクレボンによる作品です。


なにも聞かずともじーっくりこの作品を見ていると何かに見えてきませんか?…………そう、顔です。お風呂に入る前の炭坑マン達は黒光りするほどに顔を真っ黒にして炭鉱から帰ってきます。その炭鉱マンの目線とライトの照らす先にあるのは、黒いタイヤ……….黒タイヤ……….黒ダイヤ………石炭です!

タイトルの由来はダイヤモンドの別称である「金剛石」のように光り輝く炭坑マン達の顔、という意味合いから来ています。危険を冒しながらも炭鉱で働いていたたちへの尊敬の気持ちと、かなしげな作品が多い中すこしくすっと笑えるものも欲しいな、という気持ちから生まれた作品です。