山岸耕輔活動日誌|13〜14日目
滞在13日目
煙突の傾きが進んでいるということから、翌日から宮前浴場の臨時休業が決定したとの連絡がありました。
相次ぐ予定の変更で何から手をつけるべきか迷いながらも、まずは浴場の記録を何とか残す必要があると思い、真奈美さんと松見君と一緒に浴場に向かいました。
浴場を記録するにあたって、女湯の奥にある小さな扉へと案内されました。
扉の中へ進むと、古い浴槽がある空間がありました。
炭鉱時代、炭鉱マンは会社の浴場へ。その奥さんや子供は宮前浴場を利用していました。
当時は女湯の利用が多かったことから、浴室の広さが男湯の倍近くあったそうです。
炭鉱が閉鎖になり、人口が減少して利用客が減ったことで、女湯のスペースを区切るように縮小されました。
その空間が、当時のままそこにありました。

滞在14日目
臨時休業にともなって、10時に閉鎖されるという話を聞き、早朝に急いで掲示板の設置作業にかかることに。
コミュニティゲートから掲示板を運び、壁に元から空いていた穴を利用して無事に取り付けることができました。
新しくなった掲示板に成果発表のフライヤーを貼り、浴場を後にしました。
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集会所にて成果発表に向けた準備に取り掛かりました。
しかし、夕方から別の団体の利用予約が入っており、会場にはまだ作品などは設置できない状況でした。
窓ガラスの遮光や、映像を投影するためのスクリーンの作成、モニターの通電確認など、今日のうちにできる範囲の作業を進めました。
作成したスクリーンや道具などは蛇腹の部屋の隅に置かせてもらい、明日の午前中に仕上げます。
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浴場を作業中にも何度か覗きに行きましたが、予定の10時を過ぎても何も変化はありません。
営業時間の30分前ごろからようやく動きがあり、駐車場の出入り口にバリケードが設置されました。
浴場の入り口には「臨時休業」の文字が印刷された貼り紙が、掲示板を挟み込むように貼られています。
作業の様子を見ていたときに、展示でお湯が必要なことを思い出し、バリケードで完全に塞がれる前に慌てて中に入り、作業していた咲子さん達にお願いして浴場のお湯を汲ませてもらいました。

(文・写真/山岸耕輔)