山岸耕輔活動日誌|15〜16日目
滞在15日目
いよいよ成果発表の日がやってきました。
開場が13時なのでそれまでに作品の設置を完了させなければなりません。
早起きをしてすぐに集会所に向かい、昨日作成したスクリーンや滞在中に制作した絵や映像、オブジェなどを設置しました。
開場する前に来られる方も中にはいて、楽しみにしてもらえていたのだと思い嬉しかったです。
ここで展示した作品について紹介します。
《水平を運ぶ 宮前浴場 − シホロカベツ川》
宮前浴場のお湯を水平に保ちながらゆっくりと清水沢を歩くパフォーマンスの記録映像。お湯は石炭の大露頭発見とも関わりの深いシホロカベツ川へと注がれる。およそ2時間にわたる映像をループ上映した。
《夕張を覗く 番台》《夕張を覗く 脱衣ロッカー》
宮前浴場の番台やロッカーにシホロカベツ川の河原石が置かれている静止画のような映像。石の中を覗き込むと川の流れや雪の上を歩く光景が映る。事務室や古いモニターに映して展示。
《夕張石炭》《シホロカベツ川》
メタセコイアから作った木炭で描かれた夕張石炭とシホロカベツ川の風景。石炭(石炭細工)がよく玄関に飾られていることからこの作品も玄関の下駄箱に展示した。炭鉱時代の川は黒かった(実際は茶色に近い)という話から、木炭で川を黒く描いてみることにした。

展示には多くの人にきてもらいました。
これまでお世話になった町の人や、ふらっと立ち寄った人、札幌からきてくれた作家、教育大学の先生まで。
上映作品は2時間以上もあるにもかかわらず、多くの方が最後まで観てくださいました。
会場の雰囲気も相まってか、お話ししながら鑑賞する人も多く、ここで新たに交流を深めることができました。
作品を見た感想もたくさん話してもらい、改めて気付かされることがたくさんありました。

展示が終わり、真奈美さんと須藤さん夫婦にもお手伝いいただき、速やかに撤収(それでも21時をまわりましたが)。
その後打ち上げを開き、夕張の夜を締めくくりました。
滞在16日目(最終日)
秋田に帰るのに函館港から出ているフェリーに乗らなくてはならず、昼前には清水沢を離れなくてはいけませんでした。
朝10時までに滞在先の部屋の片付けを済ませ、制作した石のオブジェを玄関に一つ飾りました。
見送りに真奈美さんとしんちゃんさんがきてくださいました。
お二人に感謝を伝えた後、記念撮影をしました。
滞在中に制作したものでいっぱいになった車に乗り込み、またいつか必ず訪れることを約束し、清水沢を後にしました。
道中で滞在先の鍵を持ってきてしまったことに気付き、慌てて郵送するなどのハプニングもありましたが、無事に秋田に戻ることができました。

滞在日誌を書いてみて、毎日たくさんのことが身の回りで起こり続け、自分の想像以上の量になってしまいました。
ここに夕張から学んだこと、動いたことが現れているようでもあります。
改めて真奈美さんを始め、北海道でお世話になった方々に感謝の気持ちを伝えたいと思います。
ありがとうございました!
(文・写真/山岸耕輔)