企画調査展示「宮前町の炭鉱住宅と地区浴場を記憶する調査室」を開催します

一般社団法人清水沢プロジェクトでは、3月20日(月)〜4月7日(金)の期間、夕張市営宮前町浴場にて、宮前町の炭鉱住宅と地区浴場を記録・記憶するため、調査を兼ねた展示を行います。

私たちが清水沢コミュニティゲートとして運営している清水沢宮前町の旧北炭鉱員住宅「旧宮コ23棟」は、1972(昭和47)年に夕張新炭鉱開発に伴い集約した清水沢炭鉱の鉱員住宅として建築され、50年が経過しました。北炭の撤退後に市営住宅となった旧炭鉱住宅は、夕張市の住宅集約事業によりここ10年ほどの間に続々と姿を消し、残るのは居住者がいる約10棟のみとなりました。清栄町の旧職員住宅や清陵町の住宅は多数残っているものの空き家が増え、炭鉱住宅街としての暮らしは変化の時を迎えています。

また、炭鉱住宅での暮らしに欠かせないのは、「地区浴場」の存在です。北炭時代の1970(昭和45)年に炭鉱住宅街の地区浴場として建築され、現在は市営の宮前町浴場は、各住居に浴室が設置されていない鉱員住宅の暮らしを支えてきた存在でした。風呂なしの住宅がわずかとなった今でも住民の生活衛生の場として不可欠であり、かつ、風呂付きの住宅に引っ越しても通い続ける人が多く、まちの姿は変わっても、地域活力の高い宮前町のコミュニティ維持に貢献している「生きている炭鉱遺産」です。

歴史をさかのぼれば、宮前町と炭鉱との関係は、昭和初期に北炭電力所住宅が作られたことに始まっています。1992(平成4)年に電力所が閉鎖され住宅はすべて解体されましたが、宮前町はより歴史の長い「電力所のまち」とも言えます。

今回の調査室展では、写真や映像の展示を呼び水に、多くの人々の中に眠る地域の記憶を記録し、記憶を可視化していきます。

当初の展示内容は、電力所住宅の写真・映像記録、新鉱時代のお祭りの写真などが中心です。会期中に収集した写真や資料、証言などを展示内容に加えていきます。

営業中の浴場での展覧会ということで、日頃からご利用の方には少々ご迷惑をおかけしますが、浴場や地域の”よさ”を再確認し、このまちで生き続ける希望を発信する機会としたいと思います。

企画調査展示「宮前町の炭鉱住宅と地区浴場を記憶する調査室」

会期

2023年3月20・22・24・25・27・29・31・4月3・5・7日 10日間
3月20日~4月7日のうち宮前町浴場が営業する月・水・金+3月25日(土)は臨時営業

時間

15:30~20:00(浴場の営業時間)

会場

夕張市営宮前町浴場

入場料

450円(入浴料として)※4月1日から入浴料改定に伴い480円
ご覧いただくためには入浴券をお求めいただくことが必要です。

主催

一般社団法人清水沢プロジェクト
電話 0123−57−7463

協力

宮前町浴場利用組合、夕張市、北海道電力ネットワーク株式会社岩見沢支店
写真提供者のみなさま

ご注意

営業中の浴場のため、写真撮影可能箇所に制限があります。
25日の見学会時には制限を設けません。
石鹸の備え付けはありません。ご持参ください。(風呂桶はあります)

イベント・男女浴室見学会

3月25日(土)14:00~15:00
通常の入浴時には見られない、男女浴室・脱衣場の見学会を開催します。
25日は20時まで臨時営業を行います。
14:30 浴場前集合(参加費用450円…入浴料として)
※この日開催の「第90回清水沢まちあるき」でも立ち寄ります。

調査室日誌