2020年、今年もありがとうございました

2020年、私たちは世界が音を立てて一変するのを目の当たりにしました。
日常が日常ではなくなる中で、一人ひとりが今日を無事に過ごし明日を無事に迎えるために必死の日々でした。そしてそれは今も続いています。

私たちは「清水沢エコミュージアム行動計画」に基づいて活動を行っています。もともと発展を志向していないこの計画は、収束に向かう地域でいかに誇りを持てる地域をつくると謳っていることもあり、今年のこの状況でも進むべき方向を見失うことはありませんでした。

その結果、来訪者の方に我慢をお願いすることになりました。
地域を守るため、道外からの来訪者の方を制限したり、滞在者には待機をお願いするなど、かなり厳しいものであったかと思います。本当にこれでよかったのかは、検証してみなければわかりません。

受付用屋外テントも同じ色で“新築”

それでも「お客様は神様ではない、仲間だ」とは最近よく思うことです。
大勢の人に来てもらうことも大切ですが、私たちのフィールドは生活地であり、それを望むことはありません。来訪者をひとりずつ仲間にしていくやり方、例えば一対一のガイドツアーなどは、コロナ禍でもその機能を発揮してくれました。
アフターコロナの世界でもきっと、この考え方は有効でしょう。

(しかし、大勢で訪れる方や日本語でコミュニケーションが難しい方に対し、いかに理念を伝えていくかも、挑戦しなければならない課題だと認識しています。反動のように元に戻ろうとする大きな力に、どのように対峙していくべきなのでしょうか)

宮前浴場ののれんに、滞在者鈴木菜々子デザインの炭住模様が入りました

今年の宮前町のクリスマスイルミネーションは、撤去できずにそのままにしていた2019年のものを少し補修してそのまま点灯しました。
すべての町内会行事が中止になる中、不幸中の幸いなできごとでした。
イルミネーション自体は2001年に始まったので20回目。私たちが関わったのは2011年が最初でしたから、これも10回目でした。
前の事務局長に「一緒にやらないか」と声をかけられたことが、私にとって初めて地域に受け入れていただいたと思った瞬間でした。
年末に激震が走った夕張は、この年末も先が見えない闇の中にいるようです。この小さな明かりが、小さくても地域の希望であり続けるよう、ともに灯していきたいと思います。

どうぞよいお年をお迎え下さい。

2020年12月31日
一般社団法人清水沢プロジェクト
代表理事 佐藤 真奈美