清水沢アートパワープラント、今年の公開を終了しました


5月14日から5ヶ月半に渡って公開を行った清水沢アートパワープラント(旧北炭清水沢火力発電所)は、本日今年度の公開を終了しました。

今年から予約制・ガイド付き・有料での公開に変更し、約500名の方にお越しいただきました。
そのうち個人のお客様は197組・385名。
ご見学も撮影も1回につき1組ずつのご案内というやり方のため、すべてのお客様に対し、建物のことだけでなく東亜建材さんのお仕事や近隣の工事、またこの先どうしていくべきかということをお話することができました。
本当に1組ずつじっくりお話したので、皆様の推理によって建物の増改築の経緯などがかなり明らかになってきました。
しかし、このようなやり方のため、お問い合わせいただいても対応できずにお断りすることも多数ありました。ご見学いただけなかった皆様には、心よりお詫び申し上げます。

また、9月6日に発生した北海道胆振東部地震により、9月15日まで公開を中止することになってしまい、11組の方にお断りせざるを得ませんでした。
しかし、そのうちの半数を超える6組の方が再申し込みがあり、ご見学いただくことができました。
「どうしてもここを見たかった」と言う方も多く、大変ありがたいと思うとともに、非常に他人事のようですが、こうとも思いました。

「一体なぜ、旧発電所を見たいと思うのだろう」

廃墟と炭鉱遺産の境目は何なのか

2011年の夕張清水沢アートプロジェクトを契機に、所有企業の東亜建材工業さんが建物解体の一時中断の意向を示し、私達が見学事業を始めてから7年になります。
2012年〜2017年の間は、東亜建材さんの事務所で誓約書にご記入いただいた上での自由見学としていましたが、見学者数の増加や建物の老朽化などのため自由見学は難しくなり、今年からガイド付きでの公開に切り替えたという経緯です。

皆様と接しはじめてすぐ、「廃墟を見たいと思って来ている方がとても多い」ということに気づきました。
それは自由見学の6年間のうちに「合法的に入れる廃墟」として、ネット上で広まったことが大きいのだろうと思います。
私達も「そのように捉えるのも一つ」と考え、深く考えることはありませんでした。

しかし、そもそもこの公開事業は「炭鉱遺産を活用するアートプロジェクト」を契機に始まったものであり、アート作品を撤去して何もなくなったとはいえ「炭鉱遺産」であることには変わりありません。
それがいつのまにか「廃墟」として捉えられるようになっていたというのは、公開事業を行う者として非常に怠慢であったのではないかと深く反省し、後半になるにつれて東亜建材さんの仕事のことや、水力発電所の更新工事の話、現役で稼働している石炭火力発電所の話などの説明を加えていきました。

では、「そもそも廃墟を見たいから来ているのであるから、それでいいのだ」というご意見もあるかと思います。
しかし、東亜建材工業さんの事業用地であり、旧発電所の建物は作業場として使っているわけですから、どれだけ外観がボロボロに見えても、「ここは廃墟ではない」というのが私達のスタンスです。
むしろ廃棄物を再生するという東亜建材工業さんのお仕事と、私達がやっている炭鉱遺産の活用を通じたまちづくりというのは、それをすでに打ち捨てられたもの・廃墟ではなく、再生できるもの・炭鉱遺産と捉えることによって価値を見出すことができるという点において、共通しているのではないかと感じています。

したがって私達は今後も、旧発電所の炭鉱遺産としての価値を訴え、主体的に関わる人々を増やす努力を続けていきたいと思います。
ご見学いただいた皆様にはアンケートをお送りする予定です。
ぜひ今後とも、旧発電所のことを気にかけていただけたらと思います。

来年以降の公開について

すでにお問い合わせをいただいていますが、来年については公開未定です。
毎年雪が解ける4月中旬ごろに東亜建材工業さんと話し合い、公開時期や方法などを決定しています。
ホームページでお知らせしますので、チェックをお願いします。

冒頭の写真は、今年最後の見学者のコスプレさんとの記念写真。
見学者の方が訪れるのを楽しみにしていたという、旧水力発電所の解体工事業者さんと一緒に写りました。
ご来場ありがとうございました。

一般社団法人清水沢プロジェクト
スタッフ一同

※なお東亜建材工業さんの事業用地内は、立ち入ることができません。
発電所の外観をご覧になりたい方は、「清水沢ダム」からご覧ください。
冬場はこんな感じで見えます。